治療について
良性腫瘍には自然に小さくなることが期待できるものもあり治療しないで経過観察することもあります。
良性腫瘍でも痛みや骨折につながる骨腫瘍や、大きな軟部腫瘍は切除する場合もあります。
基本的に良性腫瘍には薬の治療は必要ありません。
悪性腫瘍の場合にはかならず治療が必要であり種類や悪性度により治療方法が異なります。
骨肉腫やユーイング肉腫などの悪性度の高い骨軟部肉腫に対しては、全身療法である化学療法(抗がん剤治療)と発生部位への局所療法である手術や放射線治療などを組み合わせた治療(集学的治療)が行われます。
これらの腫瘍では診断された時点で検査では見えない腫瘍が体のほかの場所にも広がっている(転移している)ことがありこれらをターゲットに化学療法によって治療します。小児科医、整形外科医、外科医、放射線科医などが連携して治療にあたります。
治療は長期間にわたり、薬の副作用による障害や、骨や筋肉の切除にともなう障害が発生する場合があり担当医師から十分な説明を聞いて、納得し治療を受けることになります。
背骨や骨盤、頭頸部など外科手術がむずかしい場所に発生した場合は、粒子線治療などの放射線治療を行う場合があります。
治療後の経過
化学療法の副作用が治療終了後もつづいたり、時間がたって症状がでてきたりする場合(晩期合併症といいます)があります。
手術で人工関節、髄内釘などが挿入された場合や骨延長術が施行された場合 経年によるゆるみ、破損、成長に伴う伸長術タイミング、などのチェックもしていかねばなりません。
半永久的なタスクかもしれませんね。
しかし実際は いつまでも小児科フォローアップ外来受診に抵抗を感じて、主治医が異動して、もう大丈夫だと思って・・・とフェードアウトしてしまうケースも少なからずあります。
医療者側は どのタイミングで小児科から成人科へ移行してもらうべきか そのためにはどのような情報提供が必要か 受け側の成人科は専門分野が細分化している などの 問題を検討し始めています。
私たち自身は、経過をまとめたもの(もっている人はフォローアップ手帳)を作成しアップデートしていく事でぜひ PCM(Patient-centered Medicine)の実践を。